Hiking in Mountain WaterFall Japan - Sandankyo Gorge
柴木川沿いにある全長16kmの三段峡は手付かずの自然が最高の状態で存在しています 安芸太田町の西北にあるこの峡谷は西中国山地国定公園の一部で 文化庁によって特別名勝に指定されています。 日本でこの指定を受けている峡谷は6か所しかなく、 その中でも西日本にあるのは三段峡ただ一つです。 自然の保全と保護に対してこの場所では真剣な取り組みがおこなわれていますが 観光客は峡谷を勢いよく流ていく水を背景にしながら、 周囲よりも高く作られた遊歩道や舗装された歩道を行くことで、峡谷美を直接体感できます。 この遊歩道は生態系を乱さないように設計されています。 ウォーキングコースは初心者の散策から上級者向けの一日がかりのトレッキングまで多岐にわたります。 また、ハイカーは自らのレベルに応じた適切なコースを選ぶことが推奨されています。 黒淵や猿飛に向かう舟に乗ることで、観光客は巨大な崖と手付かずの森を水上から観察できます。 三段峡周辺の森林は太古の針葉樹と常緑樹とが混生しています。 日本には1,800種類を超えるコケが存在していますが、 そのうちの約6分の1を三段峡遊歩道で見ることができます。 三段峡にある高い崖と階段状の滝は中国の風景画 (山水画) を彷彿とさせます。 そういった景色が写真家の熊南峰 (1876年 – 1943年) など、 初期の探検家らに三段峡の美観を保護しようという気持ちを生じさせました 三段峡の高い湿度が春、夏、秋という3つのハイキングシーズン全てにおける豊かな植生を生み出しています。 三段峡は水分が豊富なため、春、夏、秋の3つの登山シーズンを通して豊かな植物が生い茂ります。 景色は夏の青葉の頃や秋の紅葉シーズン中に特に美しくなります。 三段峡は五感全てを使うことで最もよく体験できます。 白い水のせせらぎと古代の東屋を旋回する風に耳を傾け、 つまり、水が激しく流れる音や風が古い大木の周囲を吹き抜ける音を聞き、 森林から出る松のオーガニックな香りを嗅ぎ、新鮮な水や落ち葉に触れ、心地よいきれいな空気を味わい、 そしてもちろん、その美しさを間近で見るということです。 広島市からバスに乗ってわずか75分で行ける三段峡は唯一無二の特別な場所で、 そこでは観光客が自然にどっぷりと浸ることができます 2017年、三段峡は発見から100周年を迎えました。100年よりも前、 三段峡はほぼ未踏の峡谷で、1768年に書かれた『松落葉集』という本でのみ言及されていました。 この本には太田川の上流と現在の三段峡の一部について記されています。 記述の中には竜ノ口や猿飛が含まれます。 1917年、写真家の熊南峰 (1876年 – 1943年) がこの峡谷の探検を開始し、 中国の風景をモチーフにした水墨画 (山水画) を想起させるその景観に魅了されました。 この種の芸術作品は江戸時代 (1603年 – 1868年) 以降、知識階級の中でも独立心のある人々のあいだで人気を集めていました。 『松落葉集』ではこの峡谷を中国の2つの自然ランドマーク、 すなわち四川省のそびえ立つ三峨 (さんが、峨眉山のこと) および長江中流の長大な三峡 (さんきょう) になぞらえている点に基づき、 熊は「三段峡」という名前を思い付きました この峡谷の美に魅せられた熊は、小学校教師の斎藤露翠など、 地元住民らの助けを借りながら三段峡の宣伝を始めました。 目標の一つは三段峡の美観を永久に保つことだったため、 熊らのグループは峡谷を史蹟名勝天然記念物保存法による名勝に指定するための運動を起こしました。 三段峡は1925年に名勝に指定されました。指定を受けてのち、 熊の次なる目標は人々が三段峡の中を歩いて景色を楽しめるように遊歩道を設置することになりました。 遊歩道を建設する際には峡谷を自然な状態に保つことが強く考慮されており、 自然歩道が環境にできるだけ干渉しないように計画されました。 これらの歩道は今日のハイカーたちが利用している歩道と同じものです。 1953年、三段峡は新たに制定された文化財保護法の下で特別名勝に指定されました。 そして1969年には三段峡を含む西中国山地地域が国定公園とされました 熊や地元住民らの努力によって実現したこれらの指定は、三段峡の自然美を保護しながら、 その観光旅行先としての認知度を高めることに貢献しました 近年、三段峡は国内外のメディアで特集されており、観光客が自然の力だけでなく、 静けさも堪能できる場所としてよく知られるようになりました。 熊南峰が最初に定めた目標を深く心に刻んできた地元住民らの努力のおかげで、 この峡谷は今日でも保護されています。 三段峡正面口は三段峡遊歩道の南端の開始地点です。 三段峡正面口から黒淵までの3kmのトレッキングは最も人気があります。 ハイカーは舗装路や踏みならされた未舗装路で峡谷の自然美をおよそ50分で体験でき、 そのおかげで初心者や日帰り旅行者でも楽しめるという点がその理由です 遊歩道への入り口は三段峡ホテルと、ハイキング用の食料と情報を提供している店舗の両方に隣接しています。 遊歩道での散策を開始したのち、ハイカーは黒淵にかかる真っ赤な橋を渡ることになります。 長さ約100mで、これは三段峡で最長の淵となっています。 地元のカヤック・スタンドアップパドルボード教室はここに本拠地を構えています。 夏には水が透明で冷たいため、黒淵では遊泳が人気です。 長淵からおよそ5分のところに姉妹滝があります。 この名前は「姉妹の滝」という意味で、穏やかな淵に向かって岩を並行に落ちていく3つの流れのことを指しています。 姉妹滝は竜ノ口の近くにあります。 竜ノ口では穏やかな川の流れが荒々しくて激しい急流に変わります。 姉妹滝からおよそ20分のところで、ハイカーは緑に囲まれた真っ赤な空き地を見つけるでしょう。 赤滝と呼ばれるこの新鮮な湧き水の小さな滝は、 この地に繁茂する赤レンガ色の藻類で覆われた岩に囲まれています。 この飲用水は冷たくて清潔で、甘い風味と柔らかな口当たりをしています。 赤滝を通り過ぎたのち、遊歩道は浸食された岩だらけの池、女夫淵に向かって伸びています。 女夫淵沿いの道は高く作られており、 道と大きな落差のある水面との間には遮るものがありません。 この淵の次にあるのが石樋で、やはり岩だらけの浅瀬です。 遊歩道をさらに進むと黒淵に到達します。ここでハイカーは水辺まで歩いて行って休憩することができます。 この大きな淵の水は穏やかで、原生林に覆われた巨大な崖に囲まれています。 三段峡の真ん中にあるレストランの黒淵荘へは小さな渡舟で行くことができます (乗舟時間はおよそ10分です)。 三段峡正面口にある遊歩道の南端から約3kmの場所にある黒淵はハイカーが休憩できる静かな場所です。 この大きな淵の水には強い流れが全くなく、近づいても安全です。 黒淵は森に覆われた高さ100mの険しい崖に囲まれており、 トレッキング旅行者はその景色に畏怖の念を抱くことが期待できます。
2023-07-26 21:15